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狭小住宅 浴室換気ルート

工事請負契約が建て主と工務店の間で結ばれ、やっと確認申請の段になった。

契約まで時間があったので確認申請前の設計とはいえ、施工図レベルの設計検討になった。

通常、住宅では施工図は作成されない。

設計契約図書がベースになるので詳細な検討は現場が始まってから通常行われる。

今回は工務店からの依頼で設計サポートを請け負った。そのため監理は行わない。

そうすると現場で起こり得る問題はあらかじめ予測して対処しなければならない。

現場が始まってから施工者からの問い合わせに、対応しきれないと事態になってしまう。

そのため怪しい部分は詳細を検討して、その芽を摘んでおくことになる。

本来の設計のあるべき姿ではあるが、時間に追われどうしても先送りされてします。

今回はまさに実施設計レベルや監理レベルの内容を前倒しで進めることになった。

 

狭小住宅は敷地による斜線制限等のためどうしてもスペースが限られ、その解消策として階高を抑えることになる。

そのため設備の配管やダクトのルートについても見通しを立てなければならない。

 

階高を抑えていたためユニットバスはマンション用を想定していたが、建て主は戸建用を選定された。

天井高が高くバス乾燥機が設置されることになる。

天井懐(天井裏)もゆとりはそぎ落としていた。

バス乾からの排気ルートには背が高めの桁が塞いでいる。

浴室の天井高を100下げて、梁型の下がり天井を使うことで何とか桁の下をダクトが通過することができた。

 

このことを構造担当に話すと、桁を上に挙げてくれた。逆梁のスタイルになった。

そうするとダクトもストレートになり、洋室の梁型の天井も解消される。

 

この種の検討を可能にするのはBIMによるものだ。